2025.8.18 第449号 |
FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会 |
■OTC類似薬の保険外しについて | |
参院選の結果、自公が少数与党となったことから、今後は乱立する野党と政策ごとに協議、妥協が必要になると言われている。医療に関しては国民民主党や日本維新の会が高齢者負担の増加や保険給付範囲の見直しを主張しており、特に維新はOTC類似薬の保険外しによる医療費の削減を強く求めている。 こうした動きを踏まえ、日本医師会の江澤常任理事は具体的な懸念として「@経済的な負担の増加」「?自己判断・自己責任での服用に伴う臨床的なリスク」を挙げ、改めて慎重な議論が必要であるとした。特に?に関しては診断や治療の遅れ、重症化につながるリスクがあるとし、「受診せず、服薬だけで症状が軽くなったことを治癒と勘違いしたり、服用を中途半端に繰り返したりすることで、悪化や重症化を来たすことも危惧される」と指摘した。また患者の症状の原因が一般用医薬品と疑われるケースを経験した医師が2割以上に及ぶといった調査結果に触れた上で、実臨床では処方のみならず、必要な場合に適切な検査の他、食事や運動など生活習慣の指導を行いながら治療を行っているとして、「仮にOTC類似薬であっても、購入して服用するだけでは適切な治療とはならない」と、反対していくとした。 |
■紙カルテ利用診療所への電子化対応に関する調査結果について | |
日本医師会は紙カルテ利用中の診療所を対象として実施したアンケート調査結果の報告を行った(回答数5,466件)。電子カルテ導入の可能性に関し、「導入不可能(紙カルテのまま)」が54.2%で、理由については、「ITに不慣れで操作できない」「操作に時間がかかり、診察が充分にできない」「導入・維持等の費用が高額であり、リスクやトラブルに対処できない」「導入しても数年しか使用する見込みがない」とした回答があった。詳細については日本医師会ホームページの「日医君だより」に掲載されていますので、ご覧ください。 |