2013.9.6 第313号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



患者紹介ビジネスについて
医師に患者を紹介した民間事業者が診療報酬の一部を受け取る、いわゆる“患者紹介ビジネス”について、日本医師会の石川常任理事は記者会見で、患者の医療機関の選択を制限する望ましくないケースがあるとの懸念を表明し、行政側に実態把握を進めるよう求め、また診療報酬の不正請求が判明した場合には厳正な対処が必要だと指摘した。
在宅医療等を行う保険医療機関に対し、民間事業者が患者を紹介して2割程度の手数料を取るとされている“患者紹介ビジネス”については、平成23年2月15日に、すでに厚労省の保険局医療課が地方厚生局宛に、患者の紹介に係る有償契約を結んで集中的に患者の紹介を受けることは、患者が保険医療機関を選択する際に、当該事業者により一定の制限が加えられる恐れがあり、また不必要な往診を行うなど、過剰診療を惹起する原因となる可能性があることから望ましくないとし、患者の選択を制限するおそれがあると考えられる事案または過剰な診療を惹起するおそれがあると考えられる事案を把握した際には、本省へ報告するよう求めていた。
今回、先月下旬に大手新聞が2日にわたって、“患者紹介ビジネス”の現状を紹介する記事を掲載したこと等から、厚労省は再び8月28日付で、地方厚生局に対して、仲介事業者名や紹介を受けた医療機関名、それにより生じている問題点などを本省に報告するよう求める通知を発出した。
本件については、国会や中医協においても、問題点等についての話し合いが行われており、田村厚労大臣も実態を把握したうえで、今後の対応を検討するとしている。
北九州市医師会としても現状を把握、対処を検討しているところですので、このような事例はできるだけ事前に地区医師会にご連絡、ご相談されるようにお願いします。


医事紛争対策の現状について
今年度第1回目の「医療安全対策研修会」を、“医事紛争”をテーマとして開催致します。
医事紛争が生じた際、実際に患者側と交渉にあたっている担当理事や顧問弁護士による最近の医事紛争の傾向や具体的な事例を提示してのディスカッションなど、紛争を生じさせないために参考となる内容を予定しておりますので、会員及び医療従事者を対象としていますが、ぜひ会員本人がご出席くださいます様ご案内致します。
尚、現在は仮題となっておりますので、正式演題や申し込み方法等、詳細については、後日会員宛に直接通知致します。

※「北九州市医師会第1回医療安全対策研修会」
 *日時:平成25年10月17日(木)午後7時
 *会場:小倉医師会館 5階講堂
 *内容:
 @「診療所における立入検査について」北九州市保健所 医務薬務課
 A「最近の医事紛争案件の傾向について」北九州市医師会医事調停担当理事 井上 功
 B「事例提示によるディスカッション」
    北九州市医師会 顧問弁護士 川口晴司
    北九州市医師会 医事調停担当理事 井上 功
    北九州市医師会 医療安全対策担当理事 有留秀泰