2008.7.21 第227号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆本年度第1回「医業経営講演会」の開催について◆◆◆

本会主催による今年度第1回目の「医業経営講演会」を近年急増する「医療機関に対する苦情への対応」をテーマに、下記のとおり開催致します。
医療機関に対するクレームは、医療機関の不手際が原因のものから非がないのに寄せられるもの、あるいは悪意に満ちたものに至るまで、実に幅広く、その対応には大変な心労と多くの労力を伴います。
また、クレームへの対応の仕方によっては、ミスがないのに紛争化してしまったり、逆にミスがあったのに信頼関係が保てたりと、医療機関にとってもその初期対応は極めて重要な問題です。
そこで、「上手なクレームの対応方法とは?」また「そもそもクレームを減らすために出来る組織対応とは何か?」等々について、多くの企業や病院で研修実績のある「株式会社インソース」より講師をお招きし、講演会を開催致します。
参加の申込みについては、後日「参加申込書」を含む詳細なご案内を送付致しますので、その折にお申し込みください。
尚、当日はミニ経済講演も予定致しておりますので、合わせてご聴講ください。

※「平成20年度 第1回北九州市医師会医業経営講演会」
 *日時:平成20年8月19日(火)午後7時〜
 *会場:パークサイドビル9階 大会議室(小倉北区堺町1丁目6番13号・電話551−3878)
 *内容:
  講演1)(7時〜7時20分)
   「グローバル・インフレを考える〜過剰流動性から見た世界経済の行方」
              野村證券金融経済研究所 経済調査部 課長 西澤 隆
  講演2)(7時20分〜8時30分)
   「増加する医療機関へのクレームに対する対応について」
              株式会社インソース 塩谷登志栄

注意:今回の講演会の参加資格は院長・看護師長・事務長など、各部門における管理責任者を対象と致しますので、ご留意願います。




◆◆◆ 介護労働者、離職者の7割以上が勤続3年未満 ◆◆◆

介護労働者の離職率は21.6%で、離職者の7割以上が3年未満で離職している実態が介護労働安定センターの調査で分かった。
離職率は10%未満の事業所が約4割、30%以上が約3割を占め、離職率が高い事業所と低い事業所の2極化がみられた。また、月給者の平均賃金は介護支援専門員が最も高く257,586円で、訪問介護員は186,863円、訪問介護以外の介護職員192,587円。
事業所の6割以上が、「今の介護報酬では充分な賃金を払えない」と回答した。
調査は昨年10月1日現在の雇用管理の状況や運営上の課題などについて、全国の事業所を対象に実施し、4783事業所より回答を得た。
調査結果によると、一昨年10月から1年間の訪問介護員と施設系サービスなどの介護職員の採用率は27.4%、離職率は21.6%だった。
職種別の離職率では訪問介護員は16.9%、介護職員は25.3%で、訪問介護員の方が低かった。離職者のうち、勤続年数が1年未満は39.0%、1年以上3年未満が35.7%で、離職者の74.7%が3年未満に離職していた。
特に、介護職員は離職者のうち勤続1年未満が43.9%と約半数を占め、早期に離職している実態がみられた。介護労働者全体の所定内賃金は月額214,886円、日給7,875円、時間給1,105円。職種別で月給をみると、介護支援専門員に次いで看護職員の256,126円が高く、最も低いのは訪問介護員だった。
運営上の課題については、給与水準の切り下げ、人員の削減など、人件費総額を圧縮したとの回答が18.5%を占め、64.7%が今の介護報酬では人材確保などに充分な賃金を払えないとの回答があった。(出典:株式会社じほうMEDIFAX7月15日号)




◆◆◆ 苦情相談事例について ◆◆◆

本会に寄せられた苦情や相談の中から他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。
※今回の事案⇒「診療時間内に設定された受付時間について」(30代・女性)
※内容⇒「午後から急に体調が悪くなったので、仕事帰りに職場近くの医療機関を受診しようと思い、行く前にタウンページで診療時間(午後6時まで)の確認をし、受診したところ、受付の女性から『診療時間は午後6時までですが、初診の患者さん(新患)については5時40分までの受付なので、これからはそのように来院してください』と、不機嫌そうに言われ、すぐに院内の時計を見たら、5時40分を少しだけ過ぎたところだった。
診察室に入り、その旨を先生にお詫びしたところ、先生は何も気にしていない様子で、「まだ居る時間だからいいですよ」と言ってくれた。
そもそも医療機関はレストランとは違う(閉店時間前のオーダーストップのことを言っているものと思われる)ので、診療時間内なのに、受付の締切時間があるというのはおかしいのではないか?」というもの。
※解説⇒先ず、医療機関には応召義務がありますので、急患については体制が整っていれば、受付時間や診療時間といったことを問わず、診療を行わなければなりませんが、通常の一般診療においては診療時間内に、より効率よく診療を行うため、受付時間を設けること自体に問題はないことを説明し、納得をいただきました。
ただ、ここで問題なのは院長の知らないところで職員が勝手に受付時間のルールを作り、何の表示等を行うこともなく、来院患者や電話での照会に答えているのではないかと思われる点です。
想像するに、診療時間内にすべてを終わらせたいがために、通常新患が来た際にかかる新しいカルテの作成やアレルギー等、事前アンケートに要する時間を考慮して、新患は5時40分までの受付だと言っている可能性があります。
医療機関の総意として、院長を含めた全職員が共通の認識のもとに対応し、また緊急性のある患者であるかどうか等を充分に確認するのならばともかく、患者との初期対応を担う受付が、自分だけの判断で勝手な対応を行わない様、ご留意ください。