2008.2.21 第220号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆次期診療報酬改定の答申を受け日本医師会竹嶋副会長が会見◆◆◆

今月13日(水)、次期診療報酬改定の答申を受けて記者会見を行った日医の竹嶋副会長は「産科・小児科・救急医療における病院勤務医師に対する支援が、地域医療再生のための喫緊の課題であると考えていたことから診療報酬本体の引き上げ分については、早い段階から病院勤務医師の過重労働の緩和に充当してもらうことを主張するとともに、診療所に大きな影響を与えることを危惧しながらも、病院勤務医師のために検査判断料の引き下げ、軽微な処置の初再診料への包括化を了承することとした」と今回の改定における日医の基本的なスタンスを説明。
そのうえで、今回の措置に関しては、「病院勤務医師が抱える問題の解決にはほど遠いが、その対策の一助になってくれればよいと考えている」と述べた。病院勤務医師対策の財源として、診療所の再診料の引き下げが提案されたことについては「全科に影響を及ぼすものであり、その引き下げが実施されれば地域医療を支える医師たちの意欲が損なわれ、地域医療の崩壊にもつながりかねないことから受け入れられるものではなく、強く反対をした」と説明。「議論の結果、再診料の引き下げが回避されたことは評価している」とした。その一方で、外来管理加算の見直し、デジタル映像化処理加算の廃止が行われることに関しては、「長年の医療費抑制政策によって、診療所の経営も厳しい状況にある。そのことを考えると、まさに苦渋の選択であった」とし、その選択への理解を求めた。今後の日医の対応については、第一に、医療費抑制政策の根本的な方向転換を求めていくとの考えを明示。そのためには、医師の増加も含めた医療提供体制の再構築、それを実現可能なものにするため、大局的な見地からの医療費の見直しが必要になるとし、社会保障費の国庫負担分年2200億円の機械的削減が、来年度以降も続けられることがないよう、引き続き政府・与党に対して働きかけを行っていくとした。
尚、今回の改定が医療現場に与える影響について、その実態の把握・検証を早期に行うとの意向を明らかにし、「是正が必要との結果が得られた場合には、その見直しを求めていく」とした。




◆◆◆ 福岡県医師会次期役員等について ◆◆◆

福岡県医師会は2月16日(土)、役員等改選における立候補者の届出を締め切った。
各候補者は定員数どおりのため、23日(土)の臨時代議員会では無投票で選出される予定。
各候補者名及び所属医師会は下記のとおり。
*議 長:松田孝一(筑紫) *副議長:村上吉博(北九州市若松)
*会 長:横倉義武(大牟田)
*副会長:川波 壽(直方鞍手)・池田俊彦(福岡市)
*理 事:瀬戸裕二(筑紫)・大串 修(飯塚)・相良鞆彦(宗像)・細山田隆(福岡市)
     山岡春夫(久留米)・秋田章二(大川三潴)・大橋輝明(八女筑後)・
     家守千鶴子(福岡市)・上野道雄(粕屋)・伊東清四郎(北九州市門司)・
     山内 孝(北九州市若松)・堤 康博(北九州市小倉)・大郷勝三(北九州市小倉)・
     原口宏之(北九州市戸畑)・松田峻一良(福岡市)・寺澤正壽(福岡市)・
     大木 實(福岡市)・片瀬 高(粕屋)
*監 事:蒲池 壽(小郡三井)・川越忠篤(北九州市八幡)・船越裕登(福岡市)




◆◆◆ 苦情相談事例について ◆◆◆

本会に寄せられた苦情や相談の中から他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。
※今回の事案⇒「薬を間違えられた」(40代・女性)
※内容⇒長く掛かっているA整形外科より、最近血圧が高いということで、B内科を紹介され受診したところ、3種類処方された薬のうち、本来の処方薬である「プルゼニド」と間違って「プレドニン」を渡され、1回分を服用した後に、間違いに気付いたB内科から連絡があり、謝罪のうえ本来の処方に訂正された。B内科からは「問題はないと思うが、万が一何かあったら、直ぐに申し出てくれ」と言われたというもの。
※解説⇒誤投薬など最も気を付けていることなので、自院ではあり得ないと思われている方も多いかも知れませんが、残念ながら本市においても実際に多くの事例が発生しております。
ミスが起こりやすいのは、紛らわしい名称(類似名称)の薬を取り扱うときで、特に紹介患者や入院患者が持ち込んで来た日頃自院では使わない薬を取り扱うときに、(知らない名称の薬なのに、)患者からの口頭の申し出のみで、勝手に自分の知っている類似名称の薬と勘違いをしてしまったケースや従事者が患者の病名や受診の背景などから勝手に必要な投薬をイメージしてしまうケースです。
本市における誤投薬の具体的な事例としては、今回のように間違った処方を行ったケースの他、従事者が紹介患者からの持ち込み薬や服用薬の申し出を聞き間違って院長に伝えたため、院長の診断や処方に影響を及ぼしたというケースがあります。
今回のケースの場合、詳細は分かりませんが、想像すると降圧剤と緩下剤他が出されたのに、整形外科から紹介された患者ということで、窓口の係が勝手に「プルゼニド」を「プレドニン」と思い込んでしまったものと思われます。
誤投薬が明らかになった場合、患者からは精神的な動揺や怒りから、クレームが出されますが、たとえ服用したとしても何も問題がない場合も多くあります。先ずは過失が明らかならば、素直に謝罪し、当面は異常がないか様子を見てください。(もし誤投薬が原因で重篤な副作用が発生した際には各区医師会の医事紛争担当理事にご報告ください)
質問者にも当面様子をみて、何かあれば医療機関に遠慮なく申し出てほしいと伝え、法的には誤投薬という過失はあっても、副作用の発生など、患者に何らの損害もなければ謝罪以外に賠償すべきものがないことを伝え、納得をいただきました。
尚、以下に実際に起こった誤投薬と、よくインシデントレポートなどにも出て来る間違いの起こりやすい類似医薬品名を掲載致しますので、従事者にもお伝えいただきご注意ください。
「アルマールとアマリール」、「マイスリーとマイスタン」、「グリミクロンとグリチロン」、「ザンタックとザイロリック」、「セロクラールとセロクエル」、「テオドールとテグレトール」、「ベザトールSRとヘルベッサーR」、「ホスミシンDSとホクナリンDS」、「ムコダインとムコスタ」など。




◆◆◆ 「株式会社じほう」発行「治療薬ハンドブック2008」のご案内 ◆◆◆

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