2007.9.21 第214号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆ 来年度から診療科の表記を見直しへ ◆◆◆

厚生労働省は標榜診療科名の表記方法について、標榜できる診療科名を具体的に限定せず、包括的に規定する方式に改め、さらに医師が1名の診療所については、主たる診療科名の表記を原則2つまでとする方向で政省令の見直しに着手し、来年度から適用する考えを示した。
現在、広告可能な標榜診療科名は医科33、歯科4に限定して定められている。
これを標榜できる診療科名を限定列挙するのではなく、包括列挙する方式に改めることとし、具体的には「@臓器や身体の部位」「A症状、疾患」「B対象とする患者の特性」「C診療方法」について、それぞれ内科、外科と組み合わせて標榜をできるようにする。ただし、内科、外科と組み合わせることが困難とされる小児科、精神科、産婦人科などは別途省令に列記して標榜を認める。
今回の見直しで標榜診療科名の表記は、原則として医療機関の自由裁量に任されることになるが、患者の医療機関選択を支援するという観点から「客観的評価が可能で、事後の検証が可能な事項」でなければ、表記が許可されない。そのため、厚生労働省では標榜できる診療科名と不適切なものとを通知で出来る限り幅広く例示をする方針。
また、医師が一人で運営する診療所については、その医師が得意とする「主たる診療科名」を原則として2つ以内に制限をする。それ以外の診療科名を表記する場合には、「主たる診療科名」と区別できる形にすることを求める。
なお、今回の見直しにあたって、医療機関の看板の掛けかえなどについては必要な経過措置が講じられる。(出典:「株式会社じほう」発行「MEDIFAX9月25日号」より)




◆◆◆ 苦情相談事例について ◆◆◆

本会に寄せられた苦情や相談の中から他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。
※今回の事案⇒「通信販売で購入した薬剤について」(30代・男性)
最近、脱毛症に対する良い薬が出たと聞いたので、近所の皮膚科を受診したが、毎回髪の毛を少し診て、プロペシアを処方されるだけで、他には何の処置や指導もしてくれない。
そのことを知人に話したところ、「それだったら海外から個人輸入代行業者を通して買った方が安い」と言われ、60錠を送料無料の8,740円で購入し、服用したところ、蕁麻疹が出るようになった。
同じメーカーの同じ薬でも医療機関で処方される薬と海外から直輸入で購入する薬とでは違いがあるのか?というものです。
※解説⇒海外からの個人輸入代行による商品の購入は、元々ブランド品などを安く買える方法としてはじまり、インターネットの普及とともに、市場が急拡大したと言われています。
近年、医薬品関係についても、特にED薬やダイエット薬、育毛剤のように、受診に際し、羞恥心を伴うものをこうした方法で購入する患者が増えていますが、一部の麻薬指定薬等を除き、自身が必要な量を自身で服用するための購入(他に販売を目的としない)ならば違法とはならないのが現状です。
ただし、医薬品の個人輸入代行についてはトラブルも多いことから、質問者より詳しく内容を聞いてみると、購入したプロペシアの60錠すべてが1rのものであることがわかりました。プロペシアは最近ソフトバンクホークスのガトームソン投手が服用していてドーピングとなったことでも話題となりましたが、「男性における男性型脱毛症の進行遅延」を効能効果とした脱毛症用薬で、通常成人には1日1回0.2r、必要に応じて適宜増量できるが、1日1rが上限とされております。
質問者には先ず、最大量である1rを常時服用していたことを告げ、それが副作用の原因のひとつかも知れないので、すぐに服用を中止し、医療機関を受診するよう伝えました。
海外からの直輸入品の場合、規格が本来の対象者である欧米人向けになっていることから、バイアグラにしても日本では25rと50rしか販売されていないものが、輸入品として売られているものは50r(8錠=5,635円)と100r(8錠=6,440円)であり、購入者はそうした日本人にあった適正量といったことを全く知らずに1錠単位で服用しているケースが多いようです。
また、特にバイアグラについては、そっくりの形状をした違法な粗悪品が中国や北朝鮮で作られ、日本でも売られているという噂も絶えません。
今回のケースの場合、蕁麻疹程度で済んでいるようですが、インターネット上には抗うつ薬や高脂血症薬といったものも幅広く売られており、適正な用量すら分からずに、何の抵抗感も無く1錠単位で飲むことの危険性や副作用が出た際の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)も対象外となること等々を質問者に伝え、理解を得ました。
医療機関においては、医薬品の個人輸入代行の現状を知っていただくとともに、もしもこのようなケースを見聞きされたり、直輸入した方が安いといった質問や苦情を受けた際には、上記のとおり適正な患者指導をお願い致します。




◆◆◆ 尋ね人 ◆◆◆

京都府医師会より福岡県医師会を通じて、下記尋ね人に対する情報提供の依頼がありましたので、お心あたりの方は尋ね人の弟である林屋牧男氏の代理人弁護士までご連絡をお願い致します。
※尋ね人⇒*本名:林屋昌吾(昭和22年10月19日生)ただし通称として下川吾郎、下川満、大脇哲郎、玉井某と名乗っていることもあり。*住民票の住所:京都府宇治市中村37番地。
*身長:約175cm。*概要:平成7年5月に宇治市の実家を出て以来、年に数回、弟や友人に電話や手紙があるも、平成17年8月24日の博多局の消印がある手紙を最後に連絡が途切れた。その際、「今、がんの治療を受けている。もうだめや」との連絡があり、福岡県内の病院で治療または死亡された可能性が高いとのこと。どのような些細な情報でも構わないので心当たりのある方は下記までご連絡願います。
*連絡先(弟、林屋牧男氏の代理人弁護士)=〒530-0047大阪市北区西天満2丁目10番2号幸田ビル401号 グローバル法律事務所 弁護士 松本史郎 まで(電話:06-6365-6154)




◆◆◆ 平成19年版「厚生労働白書」について ◆◆◆

平成19年版「厚生労働白書〜医療構造改革の目指すもの〜」が発売されました。
井上書店にて、送料無料で取り扱っておりますので、ご案内致します。
※お申し込み先
 井上書店 小倉店 小倉北区馬借2丁目1−29(市立医療センター左壁側)
 電話:533−5005 FAX:533−9789
尚、今年度の販売価格は税込2,755円(定価:税込2,900円の5%引き)です。