2006.4.21 第191号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆ 変更した後発医薬品に問題が生じた際の責任は ◆◆◆

今回の診療報酬改定において処方せんの様式が変更され、医師が後発医薬品への変更を可能とした場合には、処方せんにその旨を記載するチェック欄が新設された。
これを受付けた保険薬局は、実際に後発医薬品に変更して投薬を行った場合、具体的にどのような薬剤を選んだのかを当該処方せんを発行した医療機関に情報提供しなければならず、医療機関もまた受けた情報内容を診療録に適切に反映させることが望ましいとされた。
ではこうしたケースにおいて、もしも変更した後発医薬品に問題が発生した場合、責任の所在はどこにあるのか?
診療報酬改定の主管である厚生労働省保険局の麦谷眞里医療課長は、3月25日(土)に行われた日本病院会主催の特別講演会においてこの点に触れ、「保険薬局で先発医薬品から後発医薬品に変更して問題が起きた場合は、処方せんを発行した医師の責任ではなく、薬局側の責任になる」ということを強調した。




◆◆◆ 苦情相談事案について ◆◆◆

本会に寄せられた苦情の中から、他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。
※今回の事案⇒財布を忘れた(30代・女性)
※内容⇒子どもが火傷をし、急いで近くの外科に連れて行ったが、慌てていたので、財布を忘れてしまった。その際、受付の女性より救急患者はそのまま医療費を持って来ないことが多いなど、不快な差別的発言を受けたというもの。
※解説⇒不適切な発言があったのならば、もちろん正さなければならないが、確かに一度きりの救急患者の医療費がそのまま未収金となってしまうケースが多いことや近年在留資格のない外国人の増加、一部負担金の引き上げ等から、各医療機関とも未収金が増加傾向にあり、医療サイドとしても困っている現状を説明し、問者には理解をいただいた。
いわゆる医療費の未収問題については、現在、日本医師会や病院四団体が「療養の給付は保険者と被保険者の直接契約に基づくものであり、医療機関は窓口の代行にしか過ぎず、未収金が発生した場合、最終的にそれを医療機関が負担するのはおかしい。健康保険法上は医療機関の請求に基づき、保険者が被保険者(患者)から強制的に未払分を徴収して、医療機関に支払わなければならない」という主張を展開しているが、今月14日(金)の厚生労働委員会において、民主党の古川元久衆議院議員(愛知県2区)がこの問題について質問を行ったところ、答弁に立った厚労省の水田保険局長は「医療機関は一部負担金を患者から受領する責任がある」としたうえで、「患者が支払わない未収金は、(保険者が被保険者{患者}から徴収できなかった場合には)最終的に医療機関が負うことになっている」と解決に向けた姿勢の見られない極めて消極的な答弁を行った。
これを受けた古川議員は「医療機関には応召義務がある上、未収金のリスクも負うのであれば、今後高齢者の負担金が上がると、更に未収金が増えて医業経営を圧迫する」とし、「双方で見解が相違しているのだから、議論を行うべきではないか」と同省に改善策の検討を促した。
今後の展開が注目される。




◆◆◆ 「障害者支援協力医」への登録について ◆◆◆

平成18年度より精神通院医療・更生医療・育成医療等を踏襲した障害者自立支援法が制定され、障害者に対する自立支援給付として様々な障害福祉サービスが創設された。
これに伴い、介護保険と同様、給付申請時に医師意見書が必要となるが、2〜3割程度(特に更生・育成医療受給)の障害者には、かかりつけ医がいないのが現状です。
現在、登録をお願いしている「障害者支援協力医」とは、かかりつけ医のいない障害者が持参する医師意見書に、必要事項を記入いただくことのできる協力医師のことです。
具体的には、申請時にかかりつけ医がいないと申し出た障害者に、区役所が「障害者支援協力医」のリストを提示し、障害者本人がそのリストの中から受診医療機関を選定して、来院することになります。
医師意見書の内容は、介護保険の主治医意見書に類似しており、来院した障害者に、特に疾病がない場合、記載に要する診察・検査・医師意見書記載料は介護保険と同様、北九州市へ費用を請求、また治療を必要とする疾病がある場合には、医師意見書の記載のほか、専門医への紹介などを行っていただきます。尚、その際の診察料などは別途医療保険での請求となります。
障害者支援協力医として登録いただける場合は、4月21日(金)迄に各区医師会へ過日送付の申込書をFAX願います。ご協力をお願い致します。