2005.4.21 第173号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆ 麻薬・向精神薬の携帯が必要な患者の海外旅行について ◆◆◆

今年もGWに60万2千人(対前年度比13.8%増)という過去最高の邦人が海外に出国すると言われておりますが、近年海外において日本の旅行者が自身の治療用麻薬や向精神薬を無許可で所持していたために、トラブルとなる事例が増えております。
特に、9.11同時多発テロ以降は、各国ともバイオテロやジャンキー(麻薬常習者)による犯罪防止を強化しておりますので、注意が必要です。
本来、麻薬の国外への持ち出し、持ち込みは厚労相の許可を受けた輸出入業者以外はできないこととなっておりますが、自己の疾病治療のために必要な場合は例外規定が設けられております。
今後、GWや夏休みに向け、患者さんからこうした相談があった際には、以下の点を参考に、旅行会社と充分相談を行うようご説明ください。
(1)麻薬について⇒出国日の2週間前までに患者本人が次の書類を用意し、九州厚生局麻薬取締部(福岡市博多区博多駅東2−10−7福岡第2合同庁舎 電話092-472-2331)に申請を行い、麻薬携帯許可書の交付を受けなければなりません。
@患者の住所、氏名、麻薬の施用が必要な理由と1日あたりの処方量を記載した医師の診断書 A麻薬携帯輸入許可申請書 B麻薬携帯輸出許可申請書(持っていた残りを持って帰って来る可能性がある場合にはAとBの両申請書が必要)
(2)向精神薬について⇒薬剤ごとに持ち出せる総量が決まっており、それを超える場合には、自己の疾病治療のために必要であることを証する書類(例えば患者の住所、氏名、携帯を必要とする向精神薬の品名及び数量を記載した医師の証明書等)の携帯が必要となります。
ただし、注射剤の向精神薬については量に関係なく携帯書類が必要となります。
その他、日本旅行医学会のホームページ等もご参考ください。http://www.jstm.gr.jp/




◆◆◆ 苦情相談事案について ◆◆◆

本会に寄せられた苦情の中から、他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。
※今回の事例⇒文書料について(50代女性ほか)
*内容⇒A院(整形外科)とB院(総合病院)に、それぞれ職場に提出するための診断書を書いてもらったが、ほぼ同じ内容
のものなのに、値段が2,000円も違うのはなぜか?街の診療所と総合病院では料金設定が違うのか?
*解説⇒これは年間を通して、よくある質問(苦情)です。
こういうことがないように、本会でも平成6年の4月までは、一定の目安としての「文書料金表」を作成し、各医療機関の窓口に掲示をいただいておりましたが、公正取引委員会より「本来自由であるべき自由診療料金や文書料金を医師会が決定することは私的独占の禁止と公正取引の確保に関する法律に違反する」との指導を受けましたので、その後は法の趣旨に則り、それぞれの医療機関において独自の料金設定をいただいております。
そこで、本会にこの種の質問(苦情)が寄せられた際には、医療問題に詳しい高橋勝好弁護士の見解(以下参照)を引用し回答しておりますので、窓口でも同様の質問(苦情)が出された際にはご参考としてください。
ただし、料金設定が社会通念に照らし合わせて、常識的かつ合理的なものでなければならないことは言うまでもありません。
*高橋弁護士の見解⇒『診断書は医師が権威と責任をもって相当の労力を伴い書くものであるから、対価として相応の請求権を取得することは言うまでもない。また、その料金については法定されていないので、自費診療における診療費と同様、主治医が自己の責任において、自主的な判断を下して決定すれば良い。法定されていない理由は、診断書の作成が医師の専門性の有無や難易度、資料の多少等により、作成労力や作成時間がバラバラであるため、これを一律に決めることの方が、弊害が多いためである』




◆◆◆ 「福岡県西方沖地震」に関するアンケート調査について ◆◆◆

3月20日に発生した福岡県西方沖地震について、緊急の会員アンケートを実施致しましたところ、515件(回答率55.5%)の回答をいただき、ありがとうございました。
幸い、人的、物的(建物)とも大きな被害報告はありませんでしたが、固定・携帯電話が長時間にわたり不通となったこともあり、「他の医療機関との連携の必要性について」という問いには、回答者の半数近くである224件(43.3%)の医療機関が「必要」と回答し、「必要ない」と回答した80件(15.5%)を大きく上回りました。
また、実際に災害訓練に参加したことがあると回答した医療機関は87件(16.9%)と大変少なく、トリアージについても「知っている」と回答した医療機関は128件(24.9%)と、全体の4分の1にとどまっています。
本アンケート結果をふまえ、災害に対するネットワークの構築や災害時救急医療の知識の普及が急務であると思われます。