事業計画&重点項目


平成30年度 北九州市医師会事業計画

政府・与党は先の総選挙において、急速に進む少子高齢化を国難と位置づけ、財政健全化とのバランスをはかりながら、子育て世代への投資を集中させた全世代型社会保障制度の構築を公約に掲げた。安倍総理も臨時国会において、子育て・介護など現役世代が抱える不安を解消し、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる「全世代型」へと改革し、女性が輝く社会、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、誰もが生きがいを感じられる「一億総活躍社会」を創り上げるとした所信表明を行った。
北九州市医師会は福岡県医師会とともに、政府・与党と連携する日本医師会を支援し、国が進める「国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現」に向け、保健・医療・福祉施策の推進に取り組む。
一方、本市に関しては、市の広聴課が実施した「平成29年度市民意識調査」における市民が望む市政要望施策として、いずれも医師会が取り組む「1位:高齢社会対策の推進」「2位:子育て支援の推進」「3位:医療・衛生管理体制の充実(救急医療・感染症対策など)」が上位を占めた。
平成30年度からは本市の社会保障施策等を推進していくうえでの新たな基本計画となる「北九州市高齢者支援計画」「北九州市障害者支援計画」「北九州市健康づくり推進プラン」等が一斉にスタートする。
北九州市医師会では引き続き市民の要望に応えるべく、地域における医療・介護の総合的な確保をはかるとともに、各地区医師会をはじめ、行政や関係機関と連携し、かかりつけ医の支援等を通して、地域医療を推進し、地域活動の充実にも取り組む。
特に、医療・介護の連携促進や子育て支援、各世代における予防や健康管理等に注力し、高齢者や障害のある方には充実した医療・介護を提供する他、生活支援等、切れ目のない施策に取り組み、生涯を通じて健康で心身ともに豊かな生活を送れるよう、医療や社会福祉の充実・発展に寄与する。
これらを実現するため、執行部はこれまで以上に充溢した意欲を持って、英知を結集し、工夫を施しながら、効率的な会務の運営に努め、重点項目をはじめとした事業項目の推進に取り組む。


平成30年度 北九州市医師会重点項目


1.医の倫理と医療安全対策
日本医師会の「医の倫理綱領」及び「医師の職業倫理指針」、福岡県医師会の「よりよい医療を目指して」等を周知し、医師の自浄作用を活性化させるとともに、日本医師会医師資格証を普及させ、会員意識の高揚と医師としての使命感や高度な職業倫理の醸成を促進し、市民の医療への信頼を一段と高めていく。また、医師・従事者への研修等を通して、患者の安全確保と医療の質の向上を最優先とした医療安全対策の推進に取り組む。
2.生涯教育の充実
医学・医療の発展や医療安全対策、患者との信頼関係の構築等を目的として、引き続き生涯教育の充実に取り組む。また、専門医会や関係機関との連携を通して、時流にそった医学的・医療的テーマの選定を行い、より多くの医師が生涯学習に参加できるよう、多様な履修環境を整え、日医生涯教育制度の申告率・達成率の向上を図る。
3.地域医療提供体制の充実
県医師会や地区医師会、北九州市と連携し、新たな医療計画・介護保険事業計画・医療費適正化計画への対応に取り組むとともに、策定された地域医療構想を確実に遂行していくための医療資源の確保や在宅医療・介護施設等における受け入れ能力の向上等をはかり、より効率的な医療提供体制の構築等を目的とした医療機関間の連携を推進させていくための中心的役割を担う。医療・介護の連携を促進し、患者や利用者の視点に立った相談事業の強化や切れ目のない地域包括ケアを進め、厚労省が進める地域の実情に即した医療・介護の総合的な確保に取り組む。また、研修等を通じて、地域の医療・介護に取り組む医療機関・従事者の支援を通して、地域医療の更なる充実と質の向上をはかる。更に、北九州市や関係機関と連携し、障害者施策や難病・発達障害者支援の推進に注力し、終末期医療のあり方についての検討を進める。
4.救急災害医療対策
夜間休日急患センターやサブセンターへの出務等、初期救急医療に積極的に協力するとともに、二次・三次救急、周産期及び小児救急医療にも注力し、市民ニーズの高い救急医療の充実に努め、関係機関と協働しながら、市民の適正な救急受診に対する啓発活動にも積極的に取り組む。また、現在の「急患センター・サブセンター」「病院における初期救急医療確保事業」「二次応需業務」「在宅当番医制業務」を中心とした体制を社会の変容に対応した新たな制度とすべく、再構築に向けた検討を進め、時代に即したより良い救急医療提供体制の構築に取り組む。一方、大地震や集中豪雨等、各地で様々な災害が多発する状況を踏まえて、引き続き、昨年策定した新医療救護計画の周知徹底をはかるとともに、緊急連絡網訓練の実施や災害医療研修等を通して、医師や従事者等の災害医療に対する意識を高め、災害医療技術の知識と技術の向上に取り組む。
5.少子高齢社会対策に向けた取り組み
高齢社会が一段と進行する中、地域における医療・介護を総合的に確保するため、引き続きかかりつけ医を中心とした多職種協働による地域包括ケアシステムの構築を推進する。また、医師や医療・介護従事者を対象とした各種研修会の開催を通して、質の向上や高齢社会対策の担い手となる人材の育成をはかるとともに、社会的課題となっている認知症に対し、北九州市と連携して予防や啓発・生活支援等の対策に取り組む。乳幼児・園児に携わる医師や関係機関を対象とした研修会を通して、質の向上をはかるとともに、乳幼児健診やペリネイタルビジットをはじめとした子育て支援の充実、小児在宅ケアに取り組むための検討を行う。
6.地域保健活動の推進
北九州市や関係機関と連携し、予防接種や感染症対策、虐待防止、周産期医療の充実、乳幼児・母子保健対策、アレルギー対策を含めた学校保健活動等に引き続き取り組むとともに、第3期を迎えて見直された特定健診・特定保健指導への対応やがん検診、地域産業保健センター事業等へも各地区医師会と一体となって、その推進に取り組む。
7.勤務医活動の支援
勤務医医学研究助成論文事業を実施し、勤務医の研究活動の支援に取り組むとともに、県医師会や日本医師会との連携、情報交換、医学集談会の開催等を通して、開業医との連携の促進に努める。また、引き続き北九州専門医レジデント制度や研修医歓迎レセプション、研修医症例報告事業等を実施し、研修医の支援をはかり、本市における医師の安定的な確保を目指す。
8.男女共同参画事業の推進
女性医師が抱える問題を医師会全体で共有し、対応していくための一環として開催している「男女共同参画推進部会研修会」をはじめとした活動をより充実させるとともに、行政や関係機関との連携をはかりながら、女性医師がより働きやすい環境作りに取り組み、日本医師会が医療界から率先して進めようとしている性別による固定的な役割分担の意識改革に努めていく。
9.広報活動
市医報、北九医FAXニュース、ホームページ等の充実を通して、必要な情報の迅速な提供に努める。また、県医師会と連携して市民への医師会活動の周知をはかるとともに、医師会への理解を高めていくための情報発信方法等について検討を行う。
10. 公益社団法人としての適正運営
公益社団法人としての円滑な業務の遂行と安定的な運営を推進する。
11. その他
「14大都市医師会連絡協議会」の開催準備
全国の大都市医師会が共有する問題を検討するため、毎年、各都市の持ち回りで「14大都市医師会連絡協議会」が開催されており、平成31年度は北九州市医師会の担当となることから、開催内容の検討等の準備作業に取り組む。